新着情報
カテゴリー「報告」の記事
第147回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年12月12日(木) 午後2時~3時15分
場 所 新旭公民館 多目的ホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「防災と保健・福祉の連携による個別避難計画の作成について」
話題提供者 高島市 健康福祉部 社会福祉課
主任 梅村 淳氏
今回は「防災と保健・福祉の連権による個別避難計画の作成について」と題して、話題提供していただきました。
高島市が2008年に障がい者市民のための防災懇談会を開催した際に、当事者から「災害時、他人をあてにすることはできない」「大きな災害が起こったら、医療器具などの設備が整った医療施設に避難できなければ、命を守ることができない」「近所と関わることもほとんどない」等の意見がありました。また、支援者からは「障がいについてほとんど知識や情報を持っていない」「日頃から付き合いがないと、その人にどう関わっていいのかわからない」「一緒に話し合い、理解し合える場が必要」との声がありました。この課題提起を出発点にして、全国に先駆けて関係機関の連絡会の発足やモデルプランの作成が進み始めました。
2022年からは、障がい者だけでなく、高齢者、障がい児も含めて、市全域で本格的に取り組んでいます。高島市の取組は、当事者、専門職、地域、市社協、関係者、行政等が長時間かけて制度を作ってきた「オール高島」の取組です。
こうした取組により、当事者・地域の安全安心 + 地域のつながりの再構築につながっています。個別避難計画を作ることによって、何よりも人命が助かる可能性を高めることにつながります。また、計画を作成する過程も大事にしています。個別避難計画は手段であり、最終目標はだれもが住み続けることができる地域共生社会の推進、地域づくりにつなげることです。
当事者の命を守る「個別避難計画」の作成のためには、当事者の状況や関係者等を良く知り、信頼関係もできている専門職との連携が必須です。さらには、庁内連携、庁外連携の体制づくり、役割分担、推進協議会の設置等と併せて実効性を高める訓練の実施等を行っています。
これらの取組から、①本人同意・地域同意の取得が困難な場合がある ⓶丁寧な取組⇔手間・時間のかかる取組 ③作成した計画の更新のタイミング等の課題も出てきています。
課題とともに、この取組は社会から求められている取組であること、地域のみんなが助かる防災をデザインする取組であることも再確認できたということです。平時から連携して取組を推進することが大切で、地域づくりにつながっています。
意見交換では、「訓練を行うことで、地域の団結力が高まった」「当事者を交えて行うことで、具体的な課題や解決が出てくる」「施設や事業所ではBCPの取り組みで、地域の人との関わりをどうするといいかも問われている」等、市全体、地域一丸となってすすめていくことが重要であることが話し合われました。
平時でもどんなことが起こっても、ご本人やご家族、多職種や地域の多くの方々、みんながどこかでつながっていることの大切さを再確認できた機会となりました。
◆次回の予定 第148回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和7年1月16(木)14:00~15:15
会場:新旭公民館 多目的ホール
内容:話題提供 「大津・湖西圏域間の連携の現状や課題および今後の展望」(仮)
話題提供者 大津赤十字病院
副院長 兼 患者支援センター長 片倉浩理先生
地域医療連携課 課長 長谷川豊氏
退院調整師長 森田美砂氏
「薬剤師・訪問看護師・介護支援専門員 合同研修会」開催しました
日 時 令和6年11月16日(土) 午後2時~4時
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 『専門職同士での難事例へのチームアプローチ』
1.事例報告
①ケアプラン元気な仲間 介護支援専門員 上松 緑氏
②リハビリ訪問看護ステーションWalk 看護師 土井 淳史氏
③とうじゅ薬局 薬剤師 山川 邦之氏
2.意見交換(グループワーク)
3.質疑応答
4.講評 高島市医師会 会長 松本 道明先生
参加者 26名
「薬剤師・訪問看護師・介護支援専門員 合同研修会」を開催しました。
今回は、専門的な治療を望み多数の医療機関での治療を長年受けてこられた事例で、薬局もそれぞれ違っていました。医療機関を変わりたくない本人や家族の想いを受け止めながら調整に苦慮された事例でした。
3職種それぞれの立場や視点から、連携してチームできめ細やかにアプローチし、少しずつ医療機関や薬の調整、サービスの導入等が行われました。訪問看護では、100に近い程丁寧に各医療機関と電話や手紙で報告や相談を繰り返され、薬剤師も主治医への相談や報告を重ね、本人も家族も納得した形で安定した生活を送れるようになった報告をしていただきました。
訪問看護や薬剤師による居宅療養管理指導が入ることで、各専門職が分担して適切なサービスを提供することが可能となりました。
意見交換では、それぞれの職種の課題や悩み等も出し、どのグループでも活発に話し合いが行われました。薬剤師がサービス担当者会議に出席してもらうことは、なかなか厳しい現状ですが、情報共有やまずは相談してみることが大事であることがわかりました。顔の見える場でさらに連携を深めていく良い機会となりました。
参加者の意見(アンケートから)
・相互理解の為、専門職種の話し合いが更に必要
・在宅でのその人の生活の仕方や方法など、皆で共有できると支援がスムーズにできる
・3つの職種が一堂に話ができたことで、在宅の現状、薬局の現状を共有できた 等
この合同研修会は、薬剤師、訪問看護師、介護支援専門員の役員さんたちが、司会や座長を担い、進めてくださいます。報告してくださる3職種の方も含めて、皆さんの意気込みや熱い想いにあふれた研修会となりました。まだ参加したことがないという方も、今後ぜひ参加していただきたいと思っています。
そして、これからも顔の見える多職種での会を重ね、連携して市民が暮らしやすい高島市を目指していきたいと思います。
第146回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年11月7日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「高島市における救急の現状と課題 」
話題提供者 高島市消防本部 警防課
参事・消防指令 小堀 高志氏
今回は「高島市における救急の現状と課題」と題して、話題提供していただきました。
急病や事故等、何あった時には救急車を要請することが、命を守る大切な方法です。人口の高齢化に伴い、高齢者の救急車の要請が多くなってきていて、市内では年間3,100件を超える救急出動要請が入ります。そのうち約8%が不搬送で搬送の必要がなかったということになります。
救急車の搬送先は、市内の中核病院である高島市民病院が80%近くで、次いでマキノ病院が12%程度となっています。また9%程度が市外病院へ搬送されています。ドクターヘリは基準に相当すれば要請し、要請件数は市内で年間40件程度で、県内の20%前後となっています。
救急搬送される人は、高齢者が72%で最も多く、内容は急病が65%程度を占め、次いで負傷が15%程度、事故が5%程度となっていますが、約半数が軽症で入院治療を必要としないものとなっています。
現場到着所要時間は、令和5年度は 全国 10.3分、滋賀県 9.4分で、高島市は 8.3分と少し短くなっています、しかしここ数年少しずつ長くなっています。救急車の要請連絡が入り、住所が確認できれば直ぐに救急車は現場へ向かいますが、要請が増えていたり、近くの消防署の救急車がすでに他へ出動していたりすることで、到着に時間がかかっているのが現状です。
課題としては、①頻回利用者、②軽傷利用者が半数を占めている、③現場到着時間の増加傾向、④ACPやDNRの問題等があります。
課題解決のために、介護や福祉等関係機関との連携をすすめ、情報共有や相談体制づくり等、協働していく取り組みや市民の皆さんにも啓発し理解を深めてもらう取り組みをされています。
意見交換では、4つの課題がそれぞれが絡み合って影響していることがわかったことや、地域の方や関係者が見に行って声をかけるだけで、安心されて救急車を呼ばなくても良くなった事例等もあり、つながりが大事であるということが挙げられました。また、まず訪問看護に連絡してもらうことや主治医との連絡、ターミナル期の本人の意思確認と家族の理解が必要等の意見がありました。ACPやDNRは、誰もが考えておかなければならないことで、その啓発の必要性を救急活動の中からも学ばせていただき、参加された皆さんと共に継続して考えていくことの重要性を新たにしました。
◆次回の予定 第147回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年12月12(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「高島市の防災と保健・福祉の連携促進モデルについて」
話題提供者 高島市 健康福祉部 社会福祉課
梅村 淳氏
第145回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年10月3日(木) 午後2時~3時30分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「 レスパイト入院について
~3病院からのメッセージ~ 」
話題提供者 マキノ病院 入退院支援室 平島雅彩氏
今津病院 地域連携室 竹本正樹氏
高島市民病院 地域連携支援部 坪井聖子氏
今回は「レスパイト入院について~3病院からのメッセージ~」と題して、話題提供していただきました。
レスパイト入院は、介護者または本人の休息目的や介護者の病気等の事情に応じて、医療設備の整った病院に医療保険で短期入院する制度です。
“医療保険での入院”であることから、空き病床を利用しての受け入れであり、1か月に14日以内となっている。在宅生活が困難になった場合には、とても助かる仕組みです。
対象者は、医療的ケアが必要な方。原則は、在宅で使用している医療材料や内服薬等を持参すること。入院期間中は、他の医療機関への受診はできない。退院先が自宅の方です。
3病院から、それぞれの特色や利用の状況、課題等を報告いただき、現状を知ることができました。
課題 ・本人が一時的な入院を理解したり、納得できていないことがある
本人と介護者の気持ちのすれ違い
・認知症や精神疾患等で、症状によって受け入れが困難なことがある
・ショートステイは緊急で確保できないため、レスパイト入院に頼らざるを得ない 等
また共通する大きな課題として、災害や台風時等の受け入れの限界があることが挙げられました。今回の8月末の台風時も事前に相談が入り、早いもの勝ちで埋まってしまうことがあったということでした。こういった災害時には、負傷した方を治療するのが病院ですが、どこも患者が集中することが考えられます。
市内の医療機関が果たさなければならない役割を遂行してもらうためには、地域での準備や協力体制等、どのようにしていくとよいのかを考えなければなりません。
意見交換では、3人の講師が各グループを回りながら、意見を聞き回答もしていただきました。レスパイト入院の目的に合った利用が求められるとともに、小児や障害のある方等が利用できるものは、まだ不足している現状もあるとの意見もありました。また、災害時の対応についての意見が多くのグループから出ていました。医療機関や福祉関係施設だけでなく、商店やスーパー等の電源が確保できる施設や様々な機関が地域全体で、どこがどのような役割を担っていけるのか、個別避難計画を土台にしながら、あらゆる方と手を取り合っていかなければならないことが見えてきました。様々な機関から参加いただいた多くの方と一緒に考えることができた良い機会となり、今後に活かしていきたいと思います。これからも安心して暮らすことができる高島市を目指して、機関や立場を超えて共に考える場として、ネットワーク運営講義会への皆様のご参加をお待ちしています。
◆次回の予定 第146回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年11月7日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「高島市消防本部の救急活動について」
話題提供者 高島市消防本部 警防課
小堀 高志氏
第144回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年9月5日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「歯科訪問診療で 何ができる?」
話題提供者 高島市 歯科医師会
林歯科医院
院長 撰 能理子先生
今回は、「歯科訪問診療で 何ができる?」と題して、林歯科医院の撰能理子先生より話題提供していただきました。
高島市歯科医師会では、訪問診療の依頼窓口を設けて、積極的に在宅での診療を受けておられます。かかりつけ歯科医師に相談されることが一番良い事ですが、かかりつけ歯科医師がいない場合に、相談できる窓口があることは何より助かります。
歯科訪問診療では設備や環境が整わないために、在宅ではできないこともありますが、ほとんどの事は対応可能です。多くの歯科診療所が、介護が必要などで通院できない方の治療やケアを実施していただいています。ただ相談が入る時には、すでに重症で起きたことの後始末でしかなく、時間も回数もかかり歯を失ってしまうケースが多くなっているということです。口腔内の写真があるとより情報が得られやすくなります。
また、生活の場となっている施設や事業所へも訪問して、口腔ケアや職員への指導、研修等も実施されています。予防するためには、訪問診療と歯科衛生士によるケアのセットが有効です。
世界各国と比較すると、日本では口腔ケアへの関心が大変低く、定期健診を受けてケアしている人はわずか20%で、スウエーデンでは何も症状がなくても90%の人がケアを受けています。
歯の喪失は口の機能低下を加速し、口の機能が低下すると食べることに支障をきたし、全身の状態が悪化していきます。むし歯や歯周病は予防できます。定期的な受診で自分にあったケアを続けることが何より大切なことがわかりました。
〇歯科訪問診療は、口腔ケアとセットにすると効果的
〇かかりつけ歯科医がいると強みになる 元気なうちから定期受診が習慣づいているとさらに良い
〇食べることは生きること 清潔で健康な奥地の維持を歯科医師・衛生士がお手伝いします
意見交換では、歯科に関することは現状として生活の中でも優先順位が低く、悪くなってからの受診になっている。歯科受診のハードルが高い、症状がない時に受診することやケアを受ける意識が薄いことが、どのグループからも出ていました。特養施設で、歯科衛生士に入ってもらったら、肺炎に罹患する人が20%位減った経験があり、ケアの重要性がわかる。健康な人も予防的に定期的な歯科受診を普段からしておくと、寝たきりになった時にも治療が受けられるのではないかといった声がありました。
少しずつ歯に関する市民の意識も変わってきていて、定期的な受診をされている方も増えてきているようで、生涯大切に維持していきたいと思います。歯科診療所でも人材不足が影を落とし、活発に動ききれないこともあるようですが、訪問看護師やヘルパー、歯科衛生士の資格のある人、言語聴覚士、管理栄養士の皆さん等、多職種とお互いの理解を深めて連携し、健康な歯で長寿の高島市を目指したいと思います。
◆次回の予定 第145回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年10月3日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「レスパイト入院について」
話題提供者 マキノ病院 入退院支援室 平島雅彩氏
今津病院 地域連携室 竹本正樹氏
高島市民病院 地域連携支援部 坪井聖子氏
「在宅療養講演会」を開催しました
日 時 令和6年7月20日(土) 午後2時~4時
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 講演会
「最期まで目一杯生きる」
講師:萬田 緑平先生
緩和ケア 萬田診療所 院長
参加者 126名
緩和ケア 萬田診療所の院長 萬田緑平先生の講演は、自分らしく最期まで生きることの意味と大切な人に伝えるべき心からの「ありがとう」があふれる感動と涙の2時間でした。
ガンで余命わずかとなった方々が、最期まで自分の望むように生きたいと、萬田先生の元を尋ねられます。萬田先生は年間100人位の方を亡くなるまで「生きる」ことに寄り添い手伝っておられるそうです。そんな萬田先生が出会った方たちの生き方、最期をたくさんの映像から教えていただくことができました。
本人の望みを叶えるため、家族や大切な人とともに最期まで自分らしく家で過ごし、家族に囲まれてお別れ会をしたり、友人たちと焼肉パーティーをしながら、お互いが感謝を伝えられる姿は、こんなにも笑顔なんだと思いました。「ありがとう」のことばに包まれて幸せな時間であることがとてもよくわかりました。
最期の時も見送った後も、本人もご家族もとても素敵な笑顔に包まれていました。
医療に頼ればすべてうまくいくわけではない、本人が望む医療を受け、最後まで歩いてトイレに行ける、元気に見えるのは心の状態がいいからで、心の状態が良いように盛り上げてあげることが大事です。心の状態を良くすることで「幸せだった」と最期を迎えることができます。その人が生きたいように生ききれるように、家族とともにそばで苦しみを取り除き、感謝を伝えられるように、そっと支援される萬田先生に人生最期の仕舞い方、医療やケアのあり方を学ばせていただくことができました。
参加された皆さんのアンケートにも、たくさんの「ありがとう」があふれていました。
「”ありがとう”をいう大切さ。”ありがとう”の言葉の強さを知りました。」
「皆に生命の終りが来る事がわかっているのに、ありがとうが言えていない日常を反省しました。」
「その人に寄り添うこと。本人の言葉が一番大切にすべきと改めて実感しました。」
いい人生だった、良かったと思える人生か、残念だったと思う人生か、どちらのシナリオを選ぶのか、皆さんはどう考えるでしょうか。「家に帰りたい」けれど「家族に迷惑をかける」そんな葛藤の中で、本人の希望に添えるようにすることが何よりも支えることであるということを理解しました。きちんと死と向き合うことに気づき、支えるということは本人がやりたいことを応援することであることが深く心に刻まれました。
萬田先生と人生を終えられた多くの方とご家族から、学ばせていただいたことを大切にしていきたいと思います。
第143回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年7月4日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「高島市の人口減少について」
話題提供者 高島市 政策部 総合戦略課
主査 中西 崇史 氏
今回は、「高島市の人口減少について」、市役所の総合戦略課から話題提供していただきました。
高島市の総人口は、45,783人で高齢化率が36.5%(令和6年1月1日現在)となり、人口は年々減少している。社会増減数(転入者数‐転出者数)は、毎年200~300人の転出超過(令和4年以前)となっていたが、令和4年にはプラス3人で市制初となる転入超過となった。令和5年は、マイナス40人となり20代が多いことから大学進学や就職等による転出が考えられる。令和4年以前と比較すると転出超過が抑制されていることから地方創生の取り組みの効果が表れていると考えられる。また、近年は外国人の転入者数が増加しており、市内企業での雇用が増えてきているのが要因だと考えられる。
人口推計では、2030年を過ぎた頃には人口が40,000人未満・2050年頃に32,000人に減少してしまい、高齢化率が50%となる推計となっている。今年の4月には人口戦略会議で20~39歳若者女性の減少率が50%を超えることから、「消滅可能性自治体」と公表があった。しかし、社会増減数が格段に抑制されていることや新たな企業の開業等による就業者数の増加も期待できる。
高島市の「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020~2024年)
基本目標①「稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする」
観光や海外での特産品販売等
②「高島とのつながりを築き、高島への新しい流れをつくる」
高校生や若者との研修会や交流会を実施、移住定住コンシェルジュの配置、
JR西日本との連携等
③「結婚・出産・子育ての希望をかなえる、人に優しい高島をつくる」
こどもの医療費助成や保育料・学校給食費の無償化等
子育て支援では県下でもトップクラスの充実した内容となっている
④「デジタルを活用し、安心して暮らせる魅力的な地域をつくる」
広報紙をLINEで閲覧できる、企業誘致から介護サービスまでを検討
スポーツツーリズムの振興、地区防災計画や公共交通の利便性の向上等
意見交換では、大学がない、働く場がないので、若者は出ていく。若い人たち、外国人も住みやすいところが必要。大都市まで通勤は1時間位なので、交通インフラの充実が必要。フルタイムで就労できるよう子どもを預かってもらえる体制がもっと必要。魅力ある地域づくり、もっと良いところをアピールすると良い等の意見がありました。
会場参加者の中で、高島市で生まれ育った人と転入者は半々くらいでした。高島市を我がふるさとと誇れるよう、ここに住む人々や所縁のある方、魅力的だと感じて発信してくださる方等、多くの力を結集して、様々な視点、角度からの取組みをして、未来の子どもたちに託せるよう共に考えていきたいと思いました。
◆次回の予定
第144回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年9月5(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「歯科の訪問診療、どんなことができる?」(仮)
話題提供者 高島市 歯科医師会
林歯科医院 院長
歯科医師 撰 能理子先生
※8月は休会となります。
第142回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年6月6日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「応需できなかった1枚の処方せんと課題」
話題提供者 高島市薬剤師会
ふれあい薬局・高島
薬剤師 吉永 礼子氏
今回は、「応需できなかった1枚の処方せんと課題」と題して、話題提供していただきました。
薬局の薬剤師の業務は、処方せん調剤・服薬指導の他、市販薬や衛生用品、介護用品、医療機器等の販売から、在宅訪問、学校薬剤師としての業務等、多岐にわたります。
患者さんや家族が処方せんを持って来店されても情報はごくわずかで、少しの面接で情報を得ていくことは大変困難です。困っておられることはないのか、どのような状況で服薬されているのかと考えながら、そして必要時は病院の地域連携室や訪問看護等と連携しながらの支援で、電話でのフォローアップもされています。
そういった中で、点滴薬や高カロリー輸液の必要な方の処方や相談が入ることがあり、すぐに対応できなかった事例も伝えていただきました。点滴薬の在庫が常時はなく、急配でも間に合わない、無菌調剤ができない‥等、多くの課題もあるということでした。
課題:足りないもの
知識 ・・・保険制度、配合変化、輸液ポンプについて等
設備・体制・・・無菌調剤室、クリーンベンチ、調剤や配達にかかる時間等
経験・スキル・・無菌調整、在宅医療にかかる経験等
コスト意識・・・在庫やロス、継続するための資金等
これらに対応できない場合には、つなぐ力が必要。地域の現状を知る、つながりを作っておくことが重要である。人材も物資も、限りある資源だからこそ、連携することが大切なことがわかりました。
今後も増大していく在宅医療で、緩和ケアを在宅や外来で受ける方も増えてくると思われます。
専門的な知識、技術を活かして、薬剤師の皆様の活躍の幅を広げていただき、連携して高島市民の暮らしを支えていきたいと思います。
意見交換では、多くの質問もあり活発な議論がされました。
◆次回の予定
第143回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年7月4日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「高島市の人口減少について」
話題提供者 高島市 政策部 総合戦略課
主査 中西 崇史氏
第141回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年5月9日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「家族支援について」
~両立支援制度とケアマネジメントの視点~
話題提供者 湖西介護支援専門員連絡協議会
養護老人ホーム 藤波園 園長
井上 良信氏
今回は、「家族支援について ~両立支援制度とケアマネジメントの視点~」と題して、話題提供していただきました。
「両立支援制度」は、仕事と育児・介護の両立をしながら働ける環境づくりを目指す制度です。妊娠や出産・育児に関してはよく知られていて、制度の利用も定着してきていますが、介護に関しては制度を知らない、利用の仕方が分からないということが少なくありません。要介護者は年々増加し、働きながら介護をしている人も多く、市内でも介護のために離職されることがあります。ヤングケアラーや虐待等の問題もあり、家族支援の重要性が高くなっています。
利用者を中心に家族背景等を考えてのケアマネジメントですが、家族は仕事と介護の両立に不安を感じていることも多くあります。働いている家族は、サービスでは埋められない時間の利用者のことが心配になることもあります。家族の思いや価値観、経済面、労働者としての役割等、様々なことが両立の課題として浮かび上がってきます。
ポイントは「就労している家族への支援は、利用者への支援に繋がる」ということです。
①どのように介護するか、どのようなサービスを利用するかは、家族の生活と切っても切り離せない。
②ケアマネジャーとして利用者により良い支援を行うには、就労している家族の生活や、仕事との両立を
サポートするという視点が必要。
③「仕事と介護の両立支援」は、「家族が介護の担い手になる」ことだけではない点に留意が必要。
④介護がいつまで続くか分からないことを踏まえ、家族の役割を考えることが必要。
意見交換では、制度について初めて知ったという声が多くありました。また、まだ保障が充分ではないことや利用することで業務にしわ寄せがきて、利用できない場合もあるのではないかといった声も聞かれました。様々なケースがあり、どうしたら家族の力になれるのか、どこをフォローしなければいけないのか、それぞれの家庭の暮らし、経済面等、根幹に関わる難しい面が多くあるというケアマネジャーの深い悩みもありました。
利用者や家族との信頼関係、コミュニケーションが何よりも大事であることは言うまでもありません。今後さらに介護と仕事を両立できる暮らしを支援できるよう、多職種での情報交換、情報共有を大事にしていくとともに、制度や保障の充実、働きながら介護することを理解し支援できる事業者や地域風土づくりも必要であることを話し合いました。
◆次回の予定
第142回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年6月6日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「応受できなかった一枚の処方箋の課題」
話題提供者 高島市薬剤師会
ふれあい薬局・高島
薬剤師 吉永 礼子氏
第140回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年4月11日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「第9期介護保険事業計画
~介護予防・日常生活圏域ニーズ調査及び在宅介護実態調査から~」
話題提供者 高島市 健康福祉部 高齢者支援局 高齢者支援課 (地域包括支援センター)
主任保健師 橋本 理恵氏
今回は、「第9期介護保険事業計画 ~介護予防・日常生活圏域ニーズ調査及び在宅介護実態調査から~」について、話題提供していただきました。(第9期は令和6年度から令和8年度の期間です)
高島市が目指す「共に暮らし 共に支える 長寿たかしま」を実現するため、実態調査等から現状や方向性、必要となること等を学びました。
高齢者が健康で役割をもって暮らしていけるよう介護予防を推進しつつ、介護が必要になったとしても安心して暮らせるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の一層の深化を図る必要があります。
3年前の第8期の調査結果と比較すると市民の皆さんの思いや行動にも変化が見えてきました。
『介護予防・日常生活圏域ニーズ調査』では、夫婦二人世帯や一人世帯等の高齢世帯は増加し、介護や介助が必要になった原因では、「高齢による衰弱」が多く34.4%でした。また外出を控えているという割合は42.2%と高い値を示し、介護予防のための通いの場への参加は、79.8%が「参加していない」と回答されました。「生きがいがある」という人の割合もやや減少しています。
『在宅介護実態調査』では、不安に感じる介護は「認知症状への対応」が最も多く、次いで多いのが排泄の介護になっています。
数字で見ることでより実態がわかりやすく、指標にもなります。変化にはコロナ禍が影響したことも考えられますが、いつまでも元気に過ごせるよう、フレイル予防や地域でのサロン等の活動をすすめると共に、目的を持って参加できる場づくり、サービスの利便性を上げることも必要との声がありました。
また、認知症の理解のため企業への研修会の取組みも実施されているが、さらに理解をすすめていくこと、相談窓口の周知ももっと必要であることもわかりました。
高島市で活動する多職種が、高島市が目指すまちづくりを共通理解し、目標に向かって連携しながらそれぞれの役割を果たしていきたいと思います。
新たに『高島・安曇川地域包括支援センター』が、令和6年4月に開設され、ご挨拶をいただきました。
高齢者支援、連携の拠点となるところが増えました。皆さんと協働していきましょう。
◆次回の予定
第141回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和6年5月9日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「家族支援について」
~両立支援制度とケアマネジメントの視点~」
話題提供者 湖西介護支援専門員連絡協議会
主任介護支援専門員 井上 良信氏