新着情報
第149回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和7年2月6日(木) 午後2時~3時20分
場 所 高島市役所 新館3階 会議室11
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「高島市権利擁護支援センターのご紹介と
権利擁護支援における課題と展望について」
話題提供者 高島市権利擁護支援センター(高島市社会福祉協議会)
センター長 松本 道也氏
包括化推進員 山﨑 雅也氏
今回は「高島市権利擁護支援センターの活動 権利擁護支援における課題と展望について」と題して、話題提供していただき意見交換を行いました。
高島市権利擁護支援センターは、2023年に成年後見制度利用促進法に基づく中核機関を高島市社会福祉協議会成年後見サポートセンターと高島市くらし連携支援室が協働運営するようになったことを契機に、2024年に高島市成年後見サポートセンターから名称変更されました。
事業内容:①成年後見制度の利用に関する相談や支援(一般相談と支援者支援) ②成年後見制度の広
報・啓発・研修 ③成年後見や権利擁護支援に関する関係機関の連絡・調整・高島市権利擁護
支援ネットワーク委員会の運営 ④成年後見を行う組織や人材育成
権利擁護の定義は、憲法25条の生存権にある健康で文化的な最低限度の生活の確保、不当な差別や虐待等の権利侵害からの回復といった狭義のものから、憲法13条の幸福追求権にある、自分の存在に意味や価値があることが人との関係の中で認められ、自分らしい暮らしを歩めること。そのために、社会参加を支援するなど、意思決定支援を通じて自己実現を進めるといった、より積極的なものへと広がっていこうとしています。
例えば、権利擁護支援のための制度の一つである成年後見制度も、本人の権利が過剰に制限されることなく本人の意思が最大限尊重されるよう、また、必要な期間で終わることができるよう法制審議会で議論がされており、今後の民法改正の方向性の一つとなっています。
そして権利擁護の対象も、判断能力が不十分な人への支援から、判断能力の有無によらず自立や社会参加に支援が必要な人へと広がっていて、「身寄り問題」等の新たな課題も出てきています。
「身寄り問題」では、これまで入院や入所など、いざという時に家族や親族が対応する”家族モデル”を前提にして作られてきた制度や仕組みが、”単身化”の進行によりそれでは対処できなくなってきていることが問題になっています。
これらの問題については、いざという時のために、早期から本人の意思確認を行い、意思決定をチームで支援する取組が大切になること。また、制度や仕組みのひずみを解消していくための鍵は、関係機関の主体的な参加と協働、協力であるということでした。
意見交換では、意思決定支援に関して①「たかしまマイウェイノート」等を、どんな場面で活用していけるとよいか、自身の業務にどう活かしていけるか。②どんなメンバーでチームを組んで、意思決定支援の取組を行っていけるとよいかについて話し合いました。
「たかしまマイウェイノートは、元気なうちから、どうしたいかを書いてもらう必要がある」「聞きだし方が難しい」「中には「放っておいて」という方もあり、受け入れられない人への関わりをどうしていくとよいか」「チームメンバーは、その都度変わっていく。関わる人たちで共有していくことが必要」など様々な意見が出され、意思確認は、日常における些細な意思表明の積み上げや、意思を聞いてくれる人がいるという状況を作っていくことが大事。それが重要な場面での意思の確認につながっていくとの助言がありました。
意思決定支援は、医療や福祉、介護に関わる私たちにとって、とても大切な事です。誰もが自分らしく最期まで生きられるよう支援するため、普段から一人ひとりの希望や思いを丁寧に聴きとり、チームで確認し共有していきたいものです。
「たかしまマイウェイノート」の周知や活用等についても多くの意見をいただき、今後に活かしていきたいと思います。
◆次回の予定 第150回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
「多職種連携セミナー」
日時:令和7年3月8(土)17:00~19:00
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:「心不全の地域連携について」
講演と実践報告、意見交換
*「活動内容」→「医療・介護関係者の研修」を ご確認ください。