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第147回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和6年12月12日(木) 午後2時~3時15分
場 所 新旭公民館 多目的ホール
内 容 話題提供および意見交換
話題提供 「防災と保健・福祉の連携による個別避難計画の作成について」
話題提供者 高島市 健康福祉部 社会福祉課
主任 梅村 淳氏
今回は「防災と保健・福祉の連権による個別避難計画の作成について」と題して、話題提供していただきました。
高島市が2008年に障がい者市民のための防災懇談会を開催した際に、当事者から「災害時、他人をあてにすることはできない」「大きな災害が起こったら、医療器具などの設備が整った医療施設に避難できなければ、命を守ることができない」「近所と関わることもほとんどない」等の意見がありました。また、支援者からは「障がいについてほとんど知識や情報を持っていない」「日頃から付き合いがないと、その人にどう関わっていいのかわからない」「一緒に話し合い、理解し合える場が必要」との声がありました。この課題提起を出発点にして、全国に先駆けて関係機関の連絡会の発足やモデルプランの作成が進み始めました。
2022年からは、障がい者だけでなく、高齢者、障がい児も含めて、市全域で本格的に取り組んでいます。高島市の取組は、当事者、専門職、地域、市社協、関係者、行政等が長時間かけて制度を作ってきた「オール高島」の取組です。
こうした取組により、当事者・地域の安全安心 + 地域のつながりの再構築につながっています。個別避難計画を作ることによって、何よりも人命が助かる可能性を高めることにつながります。また、計画を作成する過程も大事にしています。個別避難計画は手段であり、最終目標はだれもが住み続けることができる地域共生社会の推進、地域づくりにつなげることです。
当事者の命を守る「個別避難計画」の作成のためには、当事者の状況や関係者等を良く知り、信頼関係もできている専門職との連携が必須です。さらには、庁内連携、庁外連携の体制づくり、役割分担、推進協議会の設置等と併せて実効性を高める訓練の実施等を行っています。
これらの取組から、①本人同意・地域同意の取得が困難な場合がある ⓶丁寧な取組⇔手間・時間のかかる取組 ③作成した計画の更新のタイミング等の課題も出てきています。
課題とともに、この取組は社会から求められている取組であること、地域のみんなが助かる防災をデザインする取組であることも再確認できたということです。平時から連携して取組を推進することが大切で、地域づくりにつながっています。
意見交換では、「訓練を行うことで、地域の団結力が高まった」「当事者を交えて行うことで、具体的な課題や解決が出てくる」「施設や事業所ではBCPの取り組みで、地域の人との関わりをどうするといいかも問われている」等、市全体、地域一丸となってすすめていくことが重要であることが話し合われました。
平時でもどんなことが起こっても、ご本人やご家族、多職種や地域の多くの方々、みんながどこかでつながっていることの大切さを再確認できた機会となりました。
◆次回の予定 第148回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和7年1月16(木)14:00~15:15
会場:新旭公民館 多目的ホール
内容:話題提供 「大津・湖西圏域間の連携の現状や課題および今後の展望」(仮)
話題提供者 大津赤十字病院
副院長 兼 患者支援センター長 片倉浩理先生
地域医療連携課 課長 長谷川豊氏
退院調整師長 森田美砂氏