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第153回高島市医療連携ネットワーク運営協議会を開催しました
日 時 令和7年6月5日(木) 午後2時~3時15分
場 所 安曇川公民館 ふじのきホール
内 容 話題提供と意見交換
話題提供 「高齢ドライバーの免許更新とその背景」
話題提供者 滋賀県高島警察署 交通課 企画規制免許係
巡査部長 澤田 佳巳 氏
今回は「高齢ドライバーの免許更新とその背景」について、滋賀県高島警察署より話題提供していただきました。
県内で高齢化率が最も高い高島市は、すなわち高齢ドライバーも多い地域ということになります。高島市内では、交通事故で人身事故となった約半数が高齢者が関わるものとなっています。市内でも全国でも命を落とされる悲しい高齢者事故のニュースが後を絶ちません。高島市の事故の特徴は、交差点の事故、信号無視、高齢者の事故が多いということです。
運転免許証の90歳以上の保有者は、滋賀県では1,606人、高島市では137人となっています。
運転免許証の自主返納の65歳以上の件数は、4月以降 滋賀県では5,170人、高島市で172人です。返納理由は、「身体が悪くなった」や「息子や娘に運転を止められた」等、様々な事情で返納に来られているということでした。令和元年に池袋であった大きな事故の後は返納された数が全国で最も多くなり、その後はコロナの影響もあったせいか減少し、令和6年度は5年振りに前年増となったということです。
75歳以上の運転免許保有者には、更新時に「認知症検査」が義務付けられています。運転をしてもよいのかどうか重要な検査で、100点満点で36点以下は10人中2・3人で、「認知症の疑いあり」と判断されて、医師の診断が必要となります。その結果、更新できない人は1人位であるということでした。運転して家に帰れず行方不明になったりしないように、家族との相談や協力が必要となります。
高齢者事故の特徴
○身体機能の低下 ハンドルやブレーキ操作の誤り、遅れ、アクセル、ブレーキの踏み間違い
○動体視力の低下 周囲の状況が的確に把握できず、危険の発見が遅れる
○認知機能の低下 複数の情報を同時に処理、瞬時に判断できない → 高速道路の逆走
○自分本位な運転 交通環境を把握できないので、自分勝手な運転をして、事故を起こしがち
認知症や脳疾患、心疾患等、車の運転に注意が必要な方があれば、本人や家族に警察に相談するようにすすめてほしいということでした。相談や情報提供があれば、防ぐことができた事故があるかもしれません。
意見交換では
・自主返納をした後、公共交通機関を利用する方法の勉強会があるとよい
・免許を返納しても代替手段がないとフレイルや閉じこもりになってしまうので、生活の支援や地域の資源を
知る必要がある
・乗り合いバスやタクシー 行きたい所に行けない。料金の負担免除や台数を増やす等が必要
・車の維持費を考えれば、タクシーの方が経済的に優しいということもある 等
生活する上で買い物や受診等、車での移動は高島市ではなくてはならないものとなっていますが、その手段が適切かどうかは見極めが必要であり、専門職として事故の未然防止に声をかける必要があります。またこの地域で誰もが暮らしやすくするための方策や交通弱者への支援は考え続けなければいけないと感じました。
◆次回の予定 第154回 高島市医療連携ネットワーク運営協議会
日時:令和7年7月3日(木)14:00~15:15
会場:安曇川公民館 ふじのきホール
内容:話題提供 「地域の中で助け合うまちづくり」(仮)
話題提供者 元気な仲間